拙なる日々

コロナウイルス対策の一環としての暇つぶしです。

廃球場跡を(偶然)歩く(1)

知らない土地に住むと、思いも寄らぬ発見があります。それは地元民にとっては、何でもないことなのでしょうが。

 

近所の、たまに行くホームセンターに買い物に行きました。そこは駐車場が広くて、いくつかの郊外型チェーン店が軒を連ねている場所なのですが、今回たまたま店舗の脇を通ったら、え!?

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ここは昔、大分の県立野球場があった場所だったのですね。知らなかった。

 

で、勝手な思い込みを我ながらバカだなと思ったのが、同じ敷地内にあるこの建物。

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もう何度も近くを通っていて、ただ中には入ったことはありませんでしたが、建物の正面にバットとボール、ピッチャーやバッターのシルエットが掲げられていて、看板にも「Stadium」と書かれていたので、疑いようもなく、よくあるバッティングセンターだと思っていました。

ただ、今日は先ほどスコアボードのモニュメントを偶然「発見」したために、直感的にこれもモニュメントの一つなのではないかと思い、この建物の看板を改めてよく見てみると、「Food Stadium」と書かれている。「え?ふーど?…」。

もしやと思い、初めて中に入ってみたら、ピッチャーもバッターも不在の普通の食品スーパーでした。

 

しかしながら店を見渡すと、やっぱりちょっと違う。店内の一角にかつての球場のちょっとしたメモリアルコーナーがあって、遠目に見ると説明文や写真が飾られているようであり、営利第一のスーパーに、わざわざこのような場所を設ける経営者の「野球愛」に敬意を表して、せっかくなので写真を拝んでやるかと思った次第です。

 

「ふむふむ。県立球場の跡地だから、高校野球とかの写真かな?そういえば昔、津久見高校って全国制覇したことあったよな?」

その程度の気持ちで写真に近寄ってみたら、混雑したスーパーの中で、思わずキャーと叫びそうになりました。

とんでもない衝撃!

なるほど津久見高校の写真もありましたが、私が叫びそうになったのは、別の写真でした。そこには若かりし頃の西本幸雄が!関口清治が!荒巻淳が!伝説の社会人野球チーム、星野組の優勝セレモニーが映っていたのです。

 

「何それ?」

「誰それ?」

 

・・・。

一応このブログは、これまで他の人に読まれることを想定して書いてきましたので、あまり極端になったり、独りよがりになったり、なるべくそうならない内容を書くように努めてきたつもりですが、今回はもう知ったことじゃない!

「何それ?」だ~?「誰それ?」だ~?

何と言われようが、誰に思われようが、自分の好きなことを自分のためだけに書いてやる!(つづく)

阿蘇であそぼう

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阿蘇をぶらぶらしてみました。といっても「山」の方ではなく、「谷」の方ですが。阿蘇は、山はもちろん素晴らしいのですが、あえてそこに近づくことなく、雄大な山々を遠くの眺めに収めるというのも、なかなかに良いものだと思いました。

 

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今も噴煙をあげる火山群(上の写真。個人的には左のギザギザした根子岳が好き)とそれらを輪っかのように囲む外輪山(下の写真)。

 

今の阿蘇山は、噴煙を上げる中岳にもロープウエーで登って火口を覗いたりできますが、阿蘇山が本気を出したら、遠く山口県まで火砕流を流し込みます。この長閑な光景は、数万年前に確かにこの地上に現出した灼熱の地獄、その名残であることは間違いないのですが、ちょっと想像つきませんよね。

でも、いずれまたきっと、いつか本気を出す。そうなったら、この阿蘇谷のおだやかな風景は、ドロドロに溶けたマグマと一緒にあっという間に吹き飛ばされて、九州の大部分はすさまじい量の火砕流に何もかも飲みこまれて、西日本一帯はメートル単位の火山灰で立ち所に埋め尽くされて、また日本の歴史は一からやり直しです。

大自然諸行無常は、スケールが違いすぎる。まあ地球側の視点から見ると、「後から勝手に地球上にウジャウジャ湧いてきて、あちこち勝手に住みついたのは、お前ら人間の方じゃねえか」となるでしょうから、文句は何も言えません。仕方がないので、阿蘇の温泉にのんびり入って、寛いでやりました。

 

くだらない余談ですが、大分に来て思ったことの一つが、別府はそのうち爆発するんじゃないかということ。1万年くらいは後でしょうが。

理由は、あの噴気の数の異常な多さ。我らが大分県は、呑気にも「おんせん県おおいた」「日本一の湧出量」などと自慢して、観光客に金を落としてもらうよう抜け目なく策を弄していますが、別府の膨大な数の噴気は、もしかすると人類有史以降、未だ経験のない超絶噴火の予兆なのではないか?

この「別府爆発説」を大分の職場で披露したら、案の定大笑いされました。まあ仕方がないので、別府の温泉にものんびり入って寛いでやりましたが、やっぱりいい湯だねっ。1万年後に地獄が来たとしても、今は別府は天国ですなあ。

 

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先の地震で崩壊した阿蘇神社は、再建までもうしばらく時間がかかりそうです。参拝は斜め後ろから、工事現場に祈るような感じでした。私自身は、神様にお祈りするのではなく、神様のためにお祈りをしました。元の状態になるまで、もう少し我慢してねと。

神は人の願いを叶えてくれるかもしれないが、自らの社を作ることはできない。人は神に願いを聞き届けてもらうために、神のために社を作る。神と人とは、「君臨する神」→「ひざまづく人」といった一方的なものではなく、神にとっても人は必要な存在であり、持ちつ持たれつの関係であるといえるのかもしれません。信仰する人が消えると、神もまた消える。社が建ち続けている限り、神は人々と共に生き続ける。

 

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地震の傷跡は、ほかでもまだ生々しい。揺れた瞬間、この山が崩れて線路と道路を押し流し、山の反対側の深い谷に掛かる橋をも崩落させて、たまたま通りかかった大学生を車ごと川に押し流しました。正規の捜索が終了しても行方不明のままで、ご両親が何ヶ月も経ってから、まさに執念でご遺体を発見されたニュースを見て、震えるような気持ちになった記憶があります。崩落した橋は、震災遺構ということでその当時のまま残されていましたが、そちらを写真に収めようという気持ちにはなれませんでした。

人は自らもその一部として、最後は自然に運命を託すしかない。美しくもあり厳しくもあった阿蘇の自然は、私を少しだけ厳かな気持ちにさせてくれました。

東方横綱双葉山、大分県出身、立浪部屋

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宇佐の県立歴史博物館で、相撲の展覧会をやっています。

大分と相撲って、あまり結びつかないイメージですが、かの「角聖」双葉山大分県民だったのですね。大分県として、もう少しアピールしてもよい気がします。

 

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そうそう、「ツッパリ」大関も大分でしたね。中学時代には大分県警からもマークされていたそうですが、相撲で大輪の花を咲かせました。

 

大分は、地方にしてはスポーツに関しての積極的、先駆的な取り組みが多い印象があります。サッカーの大分トリニータはもちろんですが、昨年のラグビーワールドカップの招聘や、過去にはバスケBリーグのチームを持っていたり、来年3月からプロ野球独立リーグにも参加したりと、意外にも(といっては失礼ですが)色々仕掛けている。

 

そういえば野球選手も、大分の高校が甲子園で目立つことは、あまりないような気がしますが、現役のプロ野球選手には超一流が顔を並べます。内川、今宮、源田…。甲斐キャノンもそうですね。高校時代で完成させるのではなく、大成させる意識的な取り組みでもあるのでしょうか。過去をひもとけば、西鉄ライオンズの「稲尾様」も大分ですか。これはすごい。

 

暇つぶしに、大分出身の新旧プロ野球選手でチームを作ってみました。

 

1 野村(二)【広島】・・・通算2020安打 トリプルスリー(1995年)

2 源田(遊)【西武】・・・現役最高のショート

3 内川(外)【ソフトバンク】・・・現役最高の安打製造機

4 大島(三)【中日、日本ハム】・・・通算2204本 ホームラン王(1983年)

5 大田(外)【西鉄、西武など】・・・西武黄金期初頭のいぶし銀

6 鉄平(外)【中日、楽天など】・・・首位打者(2009年)

7 岡崎(一)【巨人】・・・「第二次藤田政権」不動のレギュラー

8 甲斐(捕)【ソフトバンク】・・・現役最高のキャッチャー

9 稲尾(投)【西鉄】・・・神様、仏様の次 成績凄すぎて書き切れない

 

なんと今宮(ソフトバンク)がスタメン落ちしてしまいました。なかなかに「筋肉質」の、締まった良いチームだと思いませんか?

プロ野球県別対抗オールスターチームで、甲子園優勝を目指すゲームとかないかなあ…。

紅葉が見頃になりました

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大分を代表する紅葉の名所、耶馬溪の一見八景も、そろそろ見頃を迎えつつあるようです(写真は11/8時点)。

紅葉もすごかったですが、まあすごい人手でした。一目で八つの景色を見ることができるというフレコミのこの場所は、今の時期は紅葉が加わるので、一目三六景くらいにはなっているのではないですかね。

 

昨年も同じ時期に行ってちょっと思ったことがあって、今回は朝着くように行ってみたのですが、思いは正解でした。この場所は、朝だとこの写真の反対側から太陽がパーッと差し込む。舞台を照らす照明のように陽が当たりますので、行くなら絶対朝の方が良いです。青空と沈みそこねた月(写真上部の白いポツは汚れではありません…)も、よい脇役ぶりを発揮してくれます。

 

 

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ここは紅葉が有名な所ですが、主役は「岩」。すぐ下を流れる川にも巨岩がゴツゴツしていて、大迫力です。岩と岩のわずかなすき間を探して、水が流れていきます。

後から思いましたが、この川に散らばる巨岩は、かつて一目八景を構成していた崖の一部だったのではないか。長い年月の間にはがれ落ちて、今はここに転がっている。そう思って眺めると、かつて栄華を誇った古代文明の廃墟のようにも見えます。

 

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モミジのじゅうたん。

車が通ると、ひらひら。

人が通っても、ひらひら。

風が通りすぎると、吹雪のように。

役割を終えた葉っぱたちが、天から次々に舞い落ちてきました。

 

何となく申し訳ないような気持ちで、「じゅうたん」の上を歩く。

一歩進めると、さらさら。

また進めると、またさらさら。

歩みを止めると、音も止まる。

当たり前の不思議さを、とても心地よく感じました。

 

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 少し入ったところに、麗谷(うつくしだに)という渓谷があります。この谷から頭上の崖を見上げると、ドラクエとかのゲームの世界に入りこんだみたいな感じがします。

今から魔王を倒しに行くぞ!

決意は固かったはずですが、わずか300メートルほど進んだところでもう腹が減ってきて、引き返してしまいました。(レベル0)

 

人混みの中にあった出店で、おばあちゃんがせっせと揚げていたシイタケ(大分特産!)の天ぷらなどを食して腹を満たした後、観光案内所でもらった地図を見ると、「裏耶馬溪」という地区がある。

「ウラ?」。裏とか名付けられて、地区の人は怒らないのだろうかと思いました。しかし、個人的には「裏」は好き。ちょっと行ってみます。

 

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ほらほら、やっぱり裏はありますよ。さっそく後藤又兵衛のお墓を見つけました。

黒田家きっての名将、後藤又兵衛は、後年黒田家を追い出され、大坂夏の陣で武将としての最後の一花を咲かせて散ったことになっています。しかし「裏」の世界ではそうではない。無事に生き延びて、最後はここで死んだことになっています。

それにしても、壮観なお墓。伝説の真偽はともかく、又兵衛の生涯に相応しくて、本人も気に入っているのではないでしょうか。

 

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「裏」とか言われていますが、こっちもすごい迫力です。ある意味「表」よりインパクトがあったのが、下の写真の光景。

 

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ゴツゴツのすぐ下に、民家が普通に何軒もある。「表」は下は川しかありませんでしたが、その川には先の写真にあったように、剥がれ落ちたと思われる巨岩がゴロゴロしていました。落ちてくる!絶対そのうち落ちてくるよ!!

「裏」の方には申し訳ないのですが、ここの地区の方のどなたかと仲良くなって、「一晩泊めてやるけん、寄っちょくれ」(大分弁)とか誘われても、一晩眠れそうにないのでお断りすると思います。やっぱり「裏」は、カタギとは違う肝を持っている。

 

近辺に温泉がいっぱい湧いているので、最後はその一つでのんびりお湯に浸かりました。露天風呂にも真っ赤なモミジが一葉、舞い込んできました。

もうすぐ秋も終わりです。

レジレース

競馬のことはよく分かりませんが、先日の菊花賞はテレビで観ていて面白かったですね。

無敗3冠を狙う圧倒的優勢な1番人気馬と、それを阻止せんと立ちはだかるライバルたち。最後の直線がドキドキハラハラですが、ゴールから逆算した勝利のための様々な駆け引きや消耗戦は、スタートのファンファーレが鳴り響いているときには、もうすでに始まっているのだろうなと素人ながらにも思ったことでした。

 

さて、そんなレースを観た後に、近所のスーパーに買い物に行きました。ちょうど混雑どきで、6つあったレジは、いずれも多くのお客さんが列を作っていました。

むう、早いのはどのレジか?頭はすっかり、競馬モード。

 

まずは単純に、並んでいるお客さんの人数を確認。「3」が少ないな。

むむ、しかし「3」は、お客さんのカゴに詰まっている品数が多い。これは意外に時間がかかるぞ!

これに対して向こうの「5」は、並んでいる人数は多いが、一人一人の品は少なそうだ。手にパンと牛乳だけ持っているヤツもいる。こっちの方が絶対早いとみた!

やや、しかしこのコースには、おばあちゃんがいるぞ。キャッシュレスではきっとない。現金だ。時間かかるに違いない!

おばあちゃんはお店の人から金額を聞いてから、おもむろに財布を開くであろう。そして端数の2円がないかを財布の隅々までゴソゴソ探すであろう。で、結局ないだろう。だからお釣りが小銭どっちゃりになるだろう。それをしまうのにまた時間がかかるだろう。ここではダメだ!ほかは!?

お、「1」はその意味でバランスが取れている。カゴの詰まり具合、年齢層、粒ぞろいじゃないか。視界に映った一瞬の情景からゴールを読み解き、電光石火の判断で我が運命を託す。ここだ!ここが最速なんだ!ここに懸ける!行けぇぇぇ…!

 

あれ?なかなか進まないな?

ええ?店員さんに「研修中」のプレートが…。

いい?さっきのばあちゃん、サッとクールにカード払いしやがった…。

我が運命は、馬群の中に沈みました。

本は天下の回りもの

本はなるべく図書館から借りることにしていて、自分では買わないようにしてはいますが、それでも「一期一会」だからと買ってしまった本(結局「衝動買い」です。)が、とうとう自宅の本棚からあふれてしまいました。

 

これまでは「もったいないな」と少し心がうずきながらも、資源ゴミの回収日のときなどに出していましたが、今住んでいる所は近くに「ブックオフ」があるので売ってみようと思い、初めて持って行ってみました。(「初めて」というのは、どのようなことでも多少のドキドキ感があります…。)

とりあえず十冊くらい見繕って持ち込みましたが、全部でしめて500円也。その日の晩飯代の足しにしかならず、あっさりと胃袋の中に消えてしまいました。まあしかし、自分が持っているものは、あまり世間の需要はなさそうなので、とりあえずは引き取ってもらえるだけで十分かな。

ただ、本って、ある意味人類の共通財産なので、どのようなものでもクズ紙になってしまうのはもったいない気がします。それよりは、また誰かの脳みそに収納してもらう方がはるかに良い。

 

これを書いていたら、中学男子とエロ本の関係を想起してしまいました。なんか確かに「共通財産」だったよなあ。秘密結社みたいな感じにもなって。でも男同士で何だかやたらと強く結束するというか、「信用する」「信用される」ことの大切さを知るというか…。小学男子とは違う初めての経験をしたような気もします。(エロ本を持ち回りで隠していただけですが。)

中学男子は、エロ本を通じてオンナを知るのみならず、オトコをも知っていくのではないか?オトコの中でうまく生き抜く術を学び、その後の社会生活の基盤となる何かを掴んでいくのではないか?

まあ、結局エロ本なんですが。

四国ちょっとだけぶらぶら(2)

愛媛県の西側に大洲という町があります。小さな城下町で、瀟洒なお城がある。

 

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写真真ん中の天守閣は再建なのですが、非常に先見の明があるというか、きちんと木造で行なわれています。昨年まで私が住んでいた名古屋が、コンクリート製の現在の名古屋城を、今更ながらなるべく史実に近い木造再建でやり直そうということになり、計画にようやく目途を付けつつあることを思うと、大洲の方々の意識の高さに頭が下がります。

 

名古屋の方は、木造再建までは段取りがついたものの、その後はすったもんだ。

現在の名古屋城には、高齢者や足の不自由な方のためにエレベーターが設置されていますが、新しい木造名古屋城では、なるべく史実に近い状態にするために、このようなバリアフリー設備を最小限に留めると計画を発表したところ、地元の障害者団体が猛反発。未だ解決は出来ていないようです。

私自身は、せっかく木造で再建するのであれば、やはり史実に忠実に再建してほしい。団体の方の気持ちはとてもよく理解できるのですが、エレベーターが設置された名古屋城とか興ざめも甚だしい。何のための木造再建だろうかと思います。

確かに難しい問題ではありますが、現代の感覚をそのままこのような案件に持ち込むことは、歴史への冒とくになりかねない。例えばタイムマシンに乗った未来人が、自分たちの都合の良いように過去の時間をねじ曲げるといったことと等しいと言えるかもしれない。何とか良い解決方法がみつかることを願っています。

 

 

ちなみに大洲城の場合、内部も極めて忠実に再現しており、天守の上層部はハシゴのような階段で、お年寄りや子どもは立ちすくみ、見上げるしかありません。大洲の方々の、過去の時間に対する敬意のようなものを感じる作りになっています。

 

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天守閣からの大洲の眺望。

一画の肱川が天然の堀という、よくある縄張りですね。

 

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私がもし映画監督なら、こんな感じのところをロケ地にしたいと思うのだが、どうかね?

シナリオが勝手に浮かんできそうな、町がそういう雰囲気を持っています。実際、寅さんなど多くの映画のロケ地になっているようですね。積み重ねた時間と人のにおいを感じる所でした。

 

次に向かったのが、大洲から少し南に下った卯之町という所。

いかにも駘蕩とした気分にあふれる名前を持つ小さな町ですが、こんな小さなところにも歴史はしっかり刻まれています。

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現在も続いている旅館なのですが、犬養毅様やら浜口雄幸様やら、歴史上の人物が宿泊したお客様として「様」付けで刻まれていると、まだその辺を本人がウロチョロしているのではないかという気がしてきます。

この静かな町には、一時期逃亡中の高野長英が潜伏していたり、シーボルトの門弟となって、後にその娘イネを養育した二宮敬作が町医者として居を構えたり、小さいながらも表舞台の歴史と密接な関わりを持つ役割があったようです。髭ぼうぼうで変装したつもりになっている長英も、ウロチョロしてそうな気がしてきました。

 

ほらほら、その程度の変装じゃ誤魔化せないよ!

その後硝酸で顔を焼いて、人相を変えて逃げ回った長英ですが(本当みたいですね)、結局捕まって殺されてしまったのでした。うーむ、残念…。

 

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車をさらに南に飛ばして、最後は3回目の宇和島へ。(ビルのすきまの宇和島城。)

今回はじゃこ天食っただけで帰る羽目になりましたが、愛媛南部から、今度は高知をいずれ攻めたいと思っているので、次回も待ってろよ、じゃこ天!