拙なる日々

コロナウイルス対策の一環としての暇つぶしです。

不当・不適切と思われる表現がありますが、時代的背景と作品価値を考え合わせてそのままとしました

4連休は雨だらけでした。

久々に絵でも観ようと、初めて大分の美術館に行ってみました。有名どころが来るといった点では都会は圧倒的であり、その点大分のような地方は難しいのでしょうが、まあ絵なんて有名だから(自分にとって)良い、というものではありませんから。知らない絵を「発掘」することの方が面白かったりもします。

 

さて、ヨーロッパのある程度までの時期の絵は、神話や聖書を題材にしたものが多くて、「そんな知識や教養を持って鑑賞できたら、もっと楽しいだろうに」と思うことがしばしばあります。幸い今回の展覧会は、ある程度その辺のことも絵の横に貼り付けておいてくれたので良かったのですが、そういう神話とかのストーリーに自分の中でものすごいツッコミを入れてしまい、肝心の絵の方は中途半端にしか頭に入ってきませんでした。

 

例えばヴィーナスの誕生。絵の題材として非常にポピュラーでありますが、そもそもヴィーナスってすごい生まれ方をしてますね。ごく短く要約すると、こんな感じ。

『息子がお父さんのキン○マを鎌で切り取って、海に投げ捨てました。するとそこからブクブクと泡がわき立ち、ホタテ貝の中からヴィーナスが誕生しました』

 

いや。いやいや。

いつかあのボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」とかを観る機会にめぐまれたとしても、「ああ。この女神様は、つい直前までお父さんのキン○マだったのだ…」とか、「この息子も親父のキン○マ投げ捨てたら、まさか自分の妹が海から現れるとは思わなかったろう…」とか、そういうことばかり思ってしまいそう。私の頭がおかしいのでしょうが。

 

旧訳聖書も絵のネタに多いです。

ダビデ王とかひどいですね。部下の嫁さんに手を出して妊娠させ、このままじゃまずい、とその部下を戦場に送り出して戦死させてしまう。今回観た絵は、それを知った預言者ダビデを責めるという、まああちらの大陸では有名なシーンらしいのですが、神はその罰として、生まれた子どもの命を奪います。

 

いや。いやいや。

「え?なんで?お父さんはともかく、何でボクが神様に殺されないといけないわけ?」

 

ダビデはひどいヤツです。相手となった部下の嫁さんは無理矢理のことであり、とてもかわいそうなのですが、それでも子供が男女の共同行為の成果であるという部分で、気の毒ながら彼女にも何らかの咎があるかもしれない。しかし、罰として殺された子どもに、いったい何の罪があるというのか!

「え?なんで?」という子どものツッコミの声が頭の中で繰り返し響き渡り、こういうツッコミに対して、お笑いのプロはどのようにしてボケを返すのだろうとか思っていたら、絵が頭に入ってこなくなりました。

 

もう少し勉強して、こういうツッコミを自分の中できちんとボケ返す作業をしてからでないと、心静かに絵を鑑賞するなんてできませんね。

それにしても、ヴィーナス誕生にしてもダビデにしても、最初にこのストーリーを書いた人がいるはずなのですが、放送コードも人権とかもクソ関係ない破天荒なストーリー展開に驚きもし、その自由さをうらやましくも感じます。