拙なる日々

コロナウイルス対策の一環としての暇つぶしです。

紅葉が見頃になりました

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大分を代表する紅葉の名所、耶馬溪の一見八景も、そろそろ見頃を迎えつつあるようです(写真は11/8時点)。

紅葉もすごかったですが、まあすごい人手でした。一目で八つの景色を見ることができるというフレコミのこの場所は、今の時期は紅葉が加わるので、一目三六景くらいにはなっているのではないですかね。

 

昨年も同じ時期に行ってちょっと思ったことがあって、今回は朝着くように行ってみたのですが、思いは正解でした。この場所は、朝だとこの写真の反対側から太陽がパーッと差し込む。舞台を照らす照明のように陽が当たりますので、行くなら絶対朝の方が良いです。青空と沈みそこねた月(写真上部の白いポツは汚れではありません…)も、よい脇役ぶりを発揮してくれます。

 

 

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ここは紅葉が有名な所ですが、主役は「岩」。すぐ下を流れる川にも巨岩がゴツゴツしていて、大迫力です。岩と岩のわずかなすき間を探して、水が流れていきます。

後から思いましたが、この川に散らばる巨岩は、かつて一目八景を構成していた崖の一部だったのではないか。長い年月の間にはがれ落ちて、今はここに転がっている。そう思って眺めると、かつて栄華を誇った古代文明の廃墟のようにも見えます。

 

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モミジのじゅうたん。

車が通ると、ひらひら。

人が通っても、ひらひら。

風が通りすぎると、吹雪のように。

役割を終えた葉っぱたちが、天から次々に舞い落ちてきました。

 

何となく申し訳ないような気持ちで、「じゅうたん」の上を歩く。

一歩進めると、さらさら。

また進めると、またさらさら。

歩みを止めると、音も止まる。

当たり前の不思議さを、とても心地よく感じました。

 

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 少し入ったところに、麗谷(うつくしだに)という渓谷があります。この谷から頭上の崖を見上げると、ドラクエとかのゲームの世界に入りこんだみたいな感じがします。

今から魔王を倒しに行くぞ!

決意は固かったはずですが、わずか300メートルほど進んだところでもう腹が減ってきて、引き返してしまいました。(レベル0)

 

人混みの中にあった出店で、おばあちゃんがせっせと揚げていたシイタケ(大分特産!)の天ぷらなどを食して腹を満たした後、観光案内所でもらった地図を見ると、「裏耶馬溪」という地区がある。

「ウラ?」。裏とか名付けられて、地区の人は怒らないのだろうかと思いました。しかし、個人的には「裏」は好き。ちょっと行ってみます。

 

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ほらほら、やっぱり裏はありますよ。さっそく後藤又兵衛のお墓を見つけました。

黒田家きっての名将、後藤又兵衛は、後年黒田家を追い出され、大坂夏の陣で武将としての最後の一花を咲かせて散ったことになっています。しかし「裏」の世界ではそうではない。無事に生き延びて、最後はここで死んだことになっています。

それにしても、壮観なお墓。伝説の真偽はともかく、又兵衛の生涯に相応しくて、本人も気に入っているのではないでしょうか。

 

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「裏」とか言われていますが、こっちもすごい迫力です。ある意味「表」よりインパクトがあったのが、下の写真の光景。

 

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ゴツゴツのすぐ下に、民家が普通に何軒もある。「表」は下は川しかありませんでしたが、その川には先の写真にあったように、剥がれ落ちたと思われる巨岩がゴロゴロしていました。落ちてくる!絶対そのうち落ちてくるよ!!

「裏」の方には申し訳ないのですが、ここの地区の方のどなたかと仲良くなって、「一晩泊めてやるけん、寄っちょくれ」(大分弁)とか誘われても、一晩眠れそうにないのでお断りすると思います。やっぱり「裏」は、カタギとは違う肝を持っている。

 

近辺に温泉がいっぱい湧いているので、最後はその一つでのんびりお湯に浸かりました。露天風呂にも真っ赤なモミジが一葉、舞い込んできました。

もうすぐ秋も終わりです。