拙なる日々

コロナウイルス対策の一環としての暇つぶしです。

男の花(1)

私も最近知ったのですが、「NHK大河ドラマ大友宗麟」誘致推進協議会」なる組織があります。

顧問には大分県知事や関係地の市長、県議会議長などそうそうたるメンバーが名を連ねていて、まあ結構大分県の総力をあげているといってもよいのですが、今ひとつ盛り上がっていませんね。

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そういえば、立て看板を見かけました

大友宗麟は、言わずと知れた戦国期の九州を代表する大大名です。

大分の方は宗麟がとても好きらしく、大分駅前には堂々たる宗麟の銅像が建っていますし、ほかにも最近できた橋に「宗麟大橋」と名付けたり、地元の銀行が「宗麟館」なるビルを構えて中の店舗を「ソーリン支店」としたり、あと「あいむそーりん」とかいう、なぜか腰の低いネーミングのキャラクターもいますね。まあ色々とやっています。

・・・今ひとつ盛り上がっていませんね。

 

正直、私のような他県人からみたら、宗麟のどこにそのような魅力を感じるのかがさっぱり分からない。大分県民の多くの方も、実はそうなのではないか?

大友家は、確かに宗麟の時期に一時的に大きく勢力を拡大しましたが、宗麟の力というよりは単に他の勢力とのバランスの関係上、たまたまそういう状況ができただけのような感じが私はしていますし、何よりこの人を大河ドラマの主人公とした場合に視聴率に致命的影響を与えるであろうことは、戦に出ないこと。戦国大名なのに、お家の存亡を懸けた乾坤一擲の大合戦のときには、いつも家にいます。映画「関ヶ原」の主役を豊臣秀頼にするようなもので、誰が見るんじゃ、そんなつまらんもの!

そんなわけで、推進協議会の方は気を悪くされるかもしれませんが、個人的な感覚としては、NHKも商売ですから客観的にみて大河ドラマの実現はかなり難しいかと思いますし、私も縁あって大分の地にいるとは言え、宗麟のために何か協力しようという気も起きないです。

 

ですが、宗麟が主役ではなく、このバカ殿、いやアホ上司、いやいや名門大友家の当主である宗麟を健気に支える、英邁なる家臣たちを主役に据えるのならば、気苦労の多い全国のサラリーマン諸氏の共感を大いに得るかもしれないし、潰れかけた組織を命を賭して支える、その「義」をあくまでも貫く男らしい生き様が、女子のハートをも鷲づかみにするかもしれない。そして視聴率も取れるかもしれない。(なんでこんなにNHKの視聴率を心配しているのだろう…。)

たとえば、崩れゆく大友家を最後まで支え、共に散った立花道雪高橋紹運。そしてこの二人を父(養父、実父)に持ち、のちの豊臣の世で鎮西にその人ありと賞賛された立花宗茂。この三人を主役にした大河ドラマなら、私はもう何でも協力します。(金以外は。)

 

春の始まりの頃、その一人、高橋紹運最期の地である岩屋城を見てきました。(つづく)