拙なる日々

コロナウイルス対策の一環としての暇つぶしです。

京都ちょっとだけぶらぶら(1日目)

一応「制限解除」ということだったので、連休中久しぶりに京都に行ってきました。

コロナ発生直前時には、外国人観光客の急増などでとんでもないことになっていた京都ですが、「解除」とはいえ、今はその頃に比べると落ち着いた感じ。個人的にはこのままでいてほしいです。

 

さて、せっかくなので、過去に攻め込んだことのない京都を、と思いまして、京都駅前から勢い乗りこんだバスは、栂ノ尾(とがのお)行き。有名な「鳥獣人物戯画」を伝える高山寺に向かいます。

京都駅から約1時間。結構遠いですな。高山寺は、5月の緑はじける山の中にありました。

 

 

この辺りは、秋は紅葉の名所らしいですね。秋が紅葉になるなら、今の季節は新緑がまぶしかろうと思って出かけたのですが、当たりでした。個人的には紅葉より新緑の方に魅力を感じます。今の季節に紅葉の名所を目指すのも、アリかもしれませんね。

 

高山寺中興開祖である明恵(みょうえ)上人という方は、履歴をみると、ちょっと考えられないほどに傑出した方であるように思われますが、私のような鈍才にも伝わるような歌も残してくれています。

 

あかあかやあかあかあかやあかあかや あかあかあかやあかあかや月

 

なんかアレですね。パソコンのローマ字変換で文字を叩いていて、指の場所を間違えてしまった時のアレですね。でもよく読んでみると、「松島や ああ松島や 松島や」的なアレですね。心がとらえた言葉にできないほどのあふれる思いを、それでも言葉で紡いだとき、こういう風になるのかもしれません。

 

高山寺宝物の「鳥獣人物戯画」は、貴重すぎて本物は博物館管理となっていますが、お寺にもレプリカがおいてありました。何年か前、本物が福岡の博物館に来たときに見に行きましたが、外まであふれるとんでもない人の数の行列だったのを思い出しました。

 

福岡でちゃんと巻物になっているレプリカを買いました。我ながら物好きな…。

 

「石水院(せきすいいん)」 ここがメインのようです

 

石水院の外も緑でいっぱいです

 

この高山寺のある栂尾、近くの西明寺(さいみょうじ)がある槙尾(まきのお)、そして神護寺の高雄(尾)をまとめて「三尾(さんび)」と呼ぶそうです。

歩いて、「三尾」2つめの西明寺に向かいます。

水のせせらぎの音が心地よかったです

 



ここは全然知らなかったのですが、心地よい雰囲気の所でした。

三尾の中では地味なのかもしれませんが、そのぶん中をケチケチせずに見せてくれる感じがしました。

 

さらに歩いて、最後は神護寺です。

ここのお寺は何といっても、かつては普通に教科書に載っていた「源頼朝像」が有名ですね。最近別人説が有力になってきており、教科書からも消されて、「『伝』源頼朝像」と余計な一言が書き加えられてしまっています。寺側の立場からすると、だいぶ旗色が悪いように感じますが、神護寺の説明板やリーフレットには『伝』の字はどこにも見当たりませんでした。気概と意地を感じます。

 

この頼朝像は、本来なら今の時期だけ「虫払い」ということで短期間一般公開されているようなのですが、コロナで今年はナシ。代わりに、これも年間数日しか開帳していない五大虚空蔵菩薩像を時期を早めて公開してくれていました。

頼朝像も美術館に来たときに見てはいますが、やっぱり「本拠地」で、その舞台雰囲気のなかで味わいたいものです。来年以降を期待です。

ここはが…!! 
でも横の渓流沿いに設けられている川床で酒を飲んだら、気持ちよく酔えそうです

 

続く続くまだまだ続く

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金堂



この神護寺は、和気清麻呂が創建したらしいです。

清麻呂さんは、我らが大分県に縁の深いお方。神意をやたらと乱発する当時の宇佐神宮の神様に振り回されたり、一時名前を「きたなまろ」と改名させられて鹿児島に左遷されたり、殺されかけたり。でも色々と切り抜けて、いまは宇佐神宮内に専用の神社(護皇神社)が設けられて大切に祀られていますし、この神護寺の奥の方にお墓も建てられているようです。

 

清麻呂さん、個人的に好きなんですけどね。どなたかマンガとかで主人公にしてくれないかしら。ちょっとコメディータッチで、ドタバタ喜劇風に。けれどもピンチを次々に切り抜けて、最後は神として祀られるサクセスストーリー。

この人ももちろん身分は貴族なんだけど、どちらかというと奈良時代のサラリーマンといった悲哀を感じる人なので、そんな感じに仕上げれば、令和時代でもウケそうなちょっと面白いものができそうな気がするのですが。

 

宇佐神宮にある「護皇神社」

 

どうでもよいようなことを色々思っていましたら、日が暮れてきましたので、また1時間かけて京都駅まで戻りました。(つづく)

 

帰りもやっぱり坂