拙なる日々

コロナウイルス対策の一環としての暇つぶしです。

四国ちょっとだけぶらぶら(1)

先日の4連休、四国をぶらぶら。

…のはずが、コロナ禍だから大丈夫と油断をしていたら、GoToトラベルの影響からか宿が1泊しか取れなかったので、四国の切れっ端をちょっとかすめただけの旅になりました。

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まあ、何はともあれ九州を後にします。さようなら。

 

大分の海の向こうは、すぐ四国。大分と四国の間には、4本くらいフェリーの航路があるようです。

実際、大分市内に愛媛の銀行の支店があったりするので、それなりの規模で大分と四国の経済的な結びつきはあるのだと思います。

車を運ぶのに大分から一番便利だと思ったのが、今回利用した大分・佐賀関から愛媛・三崎までの国道九四フェリー。結構な夜中まで大体1時間に1本、70分で九州・四国を結んでいます。

 

もう四国最西端の佐田岬が見えてきました。

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余談ですが、私が小学生の頃、地元鹿児島の佐多岬のニセモノめいたものとして、この四国の佐田岬は非常に印象に残り、かつ、蔑んでいました。名前も「サタミサキ」「サダミサキ」と似ていますし、一方は日本本土最南端、もう一方は四国最西端と似たような境遇にある。勝手に「本土最南端の方が偉いんじゃ」と、意味もなく四国最西端の佐田岬を下に見ていました。本当に意味もない。

ただ、地図に興味を持ち始めた頃で、日本や世界の地図を見て色々想像することが大好きだったこの頃、この奇妙にひょろ長い半島と突端の岬には、実は大いなる興味と憧れを抱いていました。「半島」とか「湾」とか、この頃なぜか大好きで、半島の突端にある岬とか、もう超ノスタルジー。人生10年ちょっとにして、すでに爺くさい少年。この少年の時の(憧れの)佐田岬がいま目の前にある。降りたら向かおうと思います。

 

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佐田岬半島は東西に長く、南北は狭くて海が目の前といった地形ですので、風力発電が盛んです。プロペラがいつもくるくる回っている。ただ風力発電だけならよかったのですが、このひょろ長い半島の付け根近くに伊方原発ができたため、有事の際にはこの半島の人々は海に逃げるしかないといった状況にあります。風光明媚な半島に、何かケチがついた感じがしないでもありません。

 

石油・石炭といった火力や原子力のエネルギーの基となる地球上の資源は、いずれは枯渇するでしょう。そうなったときに、この風力のプロペラだけでは電気は賄えないのではないか。そうなったら四国電力の社員が自転車こぎで発電するしかないなあ、とか思いました。

発電1課と発電2課。社員はラグビーや競輪選手並みの屈強な太ももを持った体育会系の男たち。1時間交替で、汗を飛び散らせながら自転車こぎで発電。きっと1課と2課は実績を競わされていて、「先月は2課に水をあけられたぞ!どうした!」とか課長からハッパをかけられる。ああ組織ってくだらない…。 

とか、本当にくだらない物思いにふけっていたら、あっさり三崎港に着いてしまいました。

 

で、せっかく四国に着いたのに、また九州側に向かって車を走らせる。西へ、西へ。佐田岬を目指して、ひょろ長い佐田岬半島をひたすら西へ。

後から知りましたが、三崎港から東側の四国本土側へは道幅も広く快適なドライブが楽しめますが、西側の佐田岬までのルートはかなり道幅も狭く曲がりくねって走りにくい。しかも、点在する小さな集落に差し掛かると、路駐の嵐。ただでさえ道狭いのに…。

にもかかわらず、地元愛媛ナンバーの車どもは、すぐに我がカーの後ろにへばりつく。譲っても譲ってもペタペタと。愛媛というと、ポンジュースとか松山の駘蕩としたイメージとか、けっこうのんびり温かいイメージがありましたが、ヤツらは本当は違うね!猫かぶってる。ヤツらの本質は佐田岬までのこのルート、ほかこの後愛媛県内で感じたせわしない運転にこそあると思いました。

愛媛県民!ホントは「まじめなジュース」なんかじゃないだろう!

 

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佐田岬に着きました。写真ではあまり分からないですが、岩石全般が鮮やかな緑色で、とても綺麗です。

駐車場から灯台のある岬突端までは、歩いて20分くらいはかかるでしょうか。道は舗装されていますが、結構起伏があります。途中、まだ頭上にツクツクボウシが嵐のように聞こえるエリアがあるかと思うと、足下にコロコロと秋の虫の声のみが聞こえるエリアがあったりする。岬までの短時間の道筋に、終わりつつある夏と始まった秋が混在しているようでした。

もし夜ならばと思いました。もし夜ならば、この地は虫の声と遠くに波の音、頭上に壮大な宇宙の瞬き。幻想的で素晴らしいハーモニーを聴くことができたことでしょう。

 

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雄々しくそびえる佐田岬灯台

灯台って、なんかいいですね。人格を感じる。台風とかが来てとんでもない風雨に晒されても、夜になると遙か遠くに光を送り出すわけです。嵐のなか、暗闇の絶望でその光に助けられた船乗りが、古来どれほど多くいただろうか。灯台の前に立つとそのようなことをいつも思います。

 

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そして、岬の向こうは九州。自分にとってのとても大切なかけがえのない大地は、海の向こうからはこんな風に見えました。