拙なる日々

コロナウイルス対策の一環としての暇つぶしです。

桜締め

〽 梅は咲いたか 桜はまだかいな~

とか言っているうちに、梅も桜も、あっという間に咲き誇り、散っていきますね。

 

人々が(私自身ですが)、「年度末があ!」「4月があ!」とキイキイとくだらないことを言っているうちに、美しい時間は一瞬で通りすぎてしまった。人生も、さもありなん。

悔しいので、文明の力で美しき時間を捕殺しておきました。

 

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3月始めに撮った、大分市内の吉野梅園の梅です。

 

ちなみに大分には、国東の方に三浦梅園資料館というものがありますが、梅の資料館ではなくて人の資料館です。

ややこしい。

三浦梅園。江戸時代の学者さんです。豊後三賢の一人ですね。豊後三賢とは「広瀬淡窓」「三浦梅園」「帆足万里」。

それぞれ何をされた方なのかは、私自身今ひとつ理解していないのですが、大分県民になってからよく目にするので、なんとなく覚えました。

 

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梅も桜も人も、個人的にはしだれていない方が好きです。

無謀にも、天を刺す。

天に突き刺したところで、その無謀さは天に遥かに及ばない所業ではありますが、それでもその凜と突っ張った姿は美しいように思われます。地面にうなだれている姿よりは格好いい。

 

主役を食おうと虎視眈々の菜の花も、いい味を出していました。

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さて梅もよいのですが、やはり春の主役は桜ですね。

なかでもソメイヨシノ

大分市内、府内城のソメイヨシノは、今年も美しかったです。

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ソメイヨシノという品種が、江戸の染井村の植木屋のおっちゃん達が世に売り出した「商品」であり、今も昔もこの品種がタネからは育たず、挿し木や接ぎ木からでしか増やすことができないことは有名な話しですが、それにしても数ある桜の中でもやはり美しさはこの品種がダントツのように思われます。

葉が出る前にこんなにも花を満開に、しかもこんなにも密度濃く、見映え良く改良した染井村のおっちゃん達。

売り出すにあたって、桜で有名な奈良・吉野のブランドをちゃっかり流用した商魂たくましいおっちゃん達。

おかげで、今は桜=ソメイヨシノというくらいの人気ですよ。おっちゃん。

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春ののどかさは、人のみではない。

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桜の下では、亀ものんびりと甲羅干し。

ただし、この後水から上がってきた亀に、陸でくつろいで手前の亀は蹴られていましたが。

 

本日現在、まだまだ桜の季節は終わってはいない!

大分の桜の「締め」、大分市内にある一心寺というお寺の八重桜が、見事な咲きぶりを見せてくれています。

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八重桜は、これもまた美しい桜なのですが、何となく艶っぽい葉っぱと丸っこい花びらとのコラボレーションで、美味い桜餅が連想されてきます。あんこが食べたくなる。

お寺はそれをよく知っているのでしょう。

売店の「手作り桜餅」は、それを求める人々で長蛇の列をなしていました。

 

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桜を愛でて写真を撮る人々の足下には、可憐なタンポポがこちらも精一杯の花を咲かせていました。踏みにじられていましたが。

 

春の美しさは一つではない。

見上げてばかりでいると、足下の別な大事なものを踏みにじってしまうかもしれませんね。

最後に撮っておきました。