拙なる日々

コロナウイルス対策の一環としての暇つぶしです。

雨夜に想う

梅雨に入りました。

雨が多くて、ジメジメして、嫌われ者の季節ですね。でも、鬱陶しいなあと、ただ嫌々過ごすだけでは、もったいないような気もします。

 

梅雨は「音」の季節です。

仕事でつまずいたり、人との関係に少し疲れたりしたとき、聞こえてくる優しい雨音を、とても心地よく感じることがありませんか。世の中のすべてが、一旦自分と遮断されて、ただ大いなる天の音信(いんしん)に包まれる。

 

梅雨は「色」の季節です。

春を過ぎた木々の緑が、1年で最も力強く華やいで、静かな気品をたたえた紫陽花が、そこかしこで色とりどりに咲き誇る。降りしきる雨のモノトーンに浮かぶ様々な色たちが、新たな命を吹き込んでくれるような心地がしませんか。雨はやがて上がり、灰色の空は明るくなって、鮮やかな青い空と、黄金色の光が現れる。

 

梅雨は「風」の季節です。

つかの間の太陽に照らしだされた、まだ水滴のついたキラキラとした地上を、生まれたばかりの透きとおった風が、サアッと駆け抜けていく。梅雨の晴れ間のきれいな風を、全身で受けとめることができたとき、細胞の一つ一つが洗われるような、清らかな心地にきっとなることでしょう。

 

春でもなく、夏でもない、嫌われ者の季節の一瞬の輝き。大切なときを、大切に過ごしたいと思います。