拙なる日々

コロナウイルス対策の一環としての暇つぶしです。

空を飛べたなら

今年の冬は寒かったですが、ようやく春の兆しが見えてきました。

勢いを取り戻しはじめた陽射しの中を歩くのが、とにかく嬉しい。そんな季節がまたやってきました。

 

旅支度に入る渡り鳥もいるでしょう。

時が来ればただそれだけを理由に、人が作った国境などお構いなしに飛び越えて、遙かなる目的地に飛び立っていく。

旅には多くの困難が伴うのでしょうが、その途方もない自由さがうらやましい。

 

人が自由に空を飛べたなら、どんなに良かっただろう。

人には、それでも自由な大地があったのに、それも自ら不自由にしてしまった。

「国家」とは何なのだろう。

鳥や魚でも可能なことが、なぜ人にはできないのだろう。

人が自由に空を飛べたなら、どんなに良かっただろう。小さな命も逃げることができたはずなのに。

ここ数日間、愕然とする思いでいます。

 

ウクライナの人々にも、春はやってくる。

ロシアの人々にも、春はやってくる。

 

春がくる。

時がめぐれば到来する、ただそれだけの小さな幸せを、でも人は自らの力では作り出せないのです。

もうやめてほしい。

人には、ほかに作り出せることがあると思うのです。